英詩と日本詩人 |
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Sivu 277
駿馬は彼方を眺めやり,牝馬に向ひて明けば,牡馬も是方にき返す,返す声さへ高慢のすねて見せたる牝馬の意地,張り通すとにはなけれども,言ひ寄る駿馬の恋を蹴り,鼻にあしらふ不挨拶。かくと見るより千里の駒も,世を噴る仙人のすねたる如くしほしほと, ...
駿馬は彼方を眺めやり,牝馬に向ひて明けば,牡馬も是方にき返す,返す声さへ高慢のすねて見せたる牝馬の意地,張り通すとにはなけれども,言ひ寄る駿馬の恋を蹴り,鼻にあしらふ不挨拶。かくと見るより千里の駒も,世を噴る仙人のすねたる如くしほしほと, ...
Sivu 443
くばへいげいたあ、あいことが余が口は涸れたり,余が眼は凹し,曾つて世を動かす弁論をなせし此口も,曾って万古を通貫したるこの活眼も,はや今は口は腐れたる空気を呼吸し眼は限られたる暗き壁を脾脱し且つ我腕は曲り,足は焼ゆめり,嗚呼楚囚!
くばへいげいたあ、あいことが余が口は涸れたり,余が眼は凹し,曾つて世を動かす弁論をなせし此口も,曾って万古を通貫したるこの活眼も,はや今は口は腐れたる空気を呼吸し眼は限られたる暗き壁を脾脱し且つ我腕は曲り,足は焼ゆめり,嗚呼楚囚!
Sivu 453
こだい海の主宰を自称せる,さしも巨大の軍艦も、汝より見なばたはむれにて風の雪吹に似たるべし。トラフェルガルの分取もスペイン国の艦隊も汝が底ふかくきえうせぬ。」ぶんどりそのかみぶだう浜辺にたてる帝国は汝をのこして変りゆく。
こだい海の主宰を自称せる,さしも巨大の軍艦も、汝より見なばたはむれにて風の雪吹に似たるべし。トラフェルガルの分取もスペイン国の艦隊も汝が底ふかくきえうせぬ。」ぶんどりそのかみぶだう浜辺にたてる帝国は汝をのこして変りゆく。
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